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大阪フィルハーモニー交響楽団 第458回定期演奏会

2012年5月15日(火)
ザ・シンフォニーホール

指揮:イオン・マリン

■ベートーヴェン:序曲「コリオラン」作品62
■シューベルト:交響曲第7番ロ短調D.759「未完成」
■ブラームス:交響曲第2番ニ長調作品73

ドイツ王道プログラム、正面突破!

大物イオン・マリンの登場。

まず、コラリオンでの統制された精妙なアンサンブルに唖然とした。こういう一流が振ると大フィルは確実にいつもより数段上のアンサンブルを聴かせる。

未完成はホルンがいつになく美しい響き。マリンの鳴らし方が巧い。

ブラ2はクールで余計な事はせず、大言壮語もしないが、ニュアンスの実に豊富なこと。音色、リズムの変幻自在さはこの指揮者の特長。

コンマスを務めた三上氏が実に巧かった。ただ、チェロ客演の音が頂けなかった・・・。

次回はヴィンシャーマンのヨハネ受難曲。いきなりの日、月定期。どうせなら土、日にしないと月曜とか普段金曜の人辛いと思うが・・・。

大阪国際フェスティバル特別公演 マーラー・プロジェクト第2弾

2012年5月10日(木)
兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール

指揮:大植英次
独唱:アネリー・ペーボ(アルト)
合唱:大阪フィルハーモニー合唱団
児童合唱:大阪すみよし少年少女合唱団

■マーラー:交響曲第3番ニ短調

高水準なマラ3だけれど・・・・・

終演後の拍手も盛大で、各々評価も高いこのコンサート。そんな中で批判をするのは心痛いが、私はあまり堪能出来なかった。

確かに、ストレートを主体に随所に変化球を散りばめた大植の解釈は面白かったし、第1ヴァイオリンの頭に田野倉雅秋(広島響)、渡辺美穂(東フィル)の両氏を配した大フィルの演奏はレベルも高かった。代役のアルトは圧倒的な存在感があり、合唱も問題ない。

普通に好演であったのは確かなのだが、どうも私には物足りないというか、今ひとつの魅力に欠けた。どうもこの曲の持つ甘美さが不足していたように思う。特に中間楽章はもっと洒落たニュアンスが欲しかったし、全般的な音作りもちょっとこの曲の本質からずれているような気がした。ただ、これはホールが悪いのも大きな一因。これがシンフォニーホールなら十分満足出来た可能性がある。このホールは解像度が高く、オペラを聴くにはベストだと思うが、豊潤な響きが欲しい曲との相性は最悪。同じマーラーでも、2番や6番といった力強い曲には適すと思うが、3番や4番は難しい気がする。

マーラーは私見だが、1、2、5、6、9番と3、4、7、8番では路線が違うように思う。そして、大植は前者との相性が良いが、後者は今ひとつな印象がある。実際、後者はほとんど振っていない。同時に大フィルも、前者と相性は良いが、後者は相性が良くない。何というか、前者はベルリン・フィル的なオケ、後者はウィーン・フィル的なオケが適すように思う。実際、マーラーの交響曲全集は、指揮者がオケを使い分けているケースが多い。

まあしかし、立派な演奏であったのは事実。来年、新ホールの「復活」は大いに期待したい。

大阪フィルハーモニー交響楽団 第457回定期演奏会

2012年4月12日(木)
ザ・シンフォニーホール

指揮:尾高忠明
独奏:萩原麻未(Pf)

■モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番イ長調 K.488
■ブルックナー:交響曲第7番ホ長調

超本格派!のモーツァルトとブルックナー

大植監督退任後、節目のシリーズ最初は、実力者尾高忠明の登場。

モーツァルトはサラっと始まり、ピアノもサラっと始まった。オケが雑でもっと美しいアンサンブルを聴かせて欲しかったが、ある意味それが萩原の美しいピアニズムを浮き彫りにしていた。彼女はノーマークだったが、とんでも無い才能だ。前評判通り音がとても美しい。確かなテクニックと美音の持ち主。とにかく、汚い音を出さない。隅々まで音楽的な音を鳴らす。涼しい表情で派手なパフォーマンスも表現も無く、一見優等生的なピアニストに映るが、実はその中にとんでも無い情熱と驚異的な表現力を秘めているのだ。それに気付いたのが第1楽章のカデンツァ。そして第2楽章冒頭でついに本性を表したのである。ピアノが泣いていた。確かに泣いていたのだ。彼女は抜群の感性を持っている。表向きの美しい音に込められた深い精神性を伴った表現。具体的に言えば、強弱表現の引き出しが異常に多い。ダイナミックレンジは表向き小さく、派手な強音は決して鳴らさないのだが、弱音から強音までの段階、分かりやく言えば、テレビのボリュームの段階、つまり普通のテレビが0~20だとすると、彼女の場合0~40段階位ある。他の一般的なピアニストの倍はあるだろう。尾高共々、奇をてらった面は皆無で、真向勝負の本格的な演奏だが、それでいてこれほど魅力的なモーツァルトはそうそう聴けるものでは無い。アンコールをぜひ聴きたかった・・・。萩原麻未は大注目なピアニストだ!

大満足の前半の後、ブルックナー。出だしはえらい神経質に始まり、線も細く、こんなもんかと思いながら聴き始めたが、終わってみれば大変素晴らしい名演だ。とにかく、安定安心の正統派ブルックナー。大フィルにとってこの曲は数々の名演を成し得てきた十八番。それは今も健在である事を証明してみせた。とにかく、演奏水準が高かった。本当に世界に誇れるブルックナー演奏だ。尾高の指揮は、どうも尻上がりに良くなっていった。曲が進むほど大らかになっていき、安定感の中に迫力が加わっていった。第2楽章半ば辺りまでは今一歩の魅力に欠いた印象を受けたが、第3楽章辺りになるともはや何の不満も無い。ザ・ブルックナーと言った感じ。とにかく、尾高のブルックナーは適正適格で、テンポ設定、強弱のバランスが抜群だし、歌も非常に美しい。そしてフィナーレ。このフィナーレで尻すぼみになる演奏が大変多いブル7。尾高はここでついに本気を出した。第3楽章までのお手本のようなブルックナーに、いよいよ凄みが加わったのだ。もう、手練手管の限りを尽くしてこの小型のフィナーレを大きく聴かせた。ブル7のフィナーレがこんなに立派に聴こえた事は無い。最後も圧巻だ。身を預けて聴く、ブルックナーの醍醐味ここにあり。

多彩な大フィル今シーズンはいきなりの名演でスタートした。次はイオン・マリンの登場!

大阪フィルハーモニー交響楽団 第456回定期演奏会

2012年3月8日(木)
ザ・シンフォニーホール

指揮:大山平一郎
独奏:野平一郎(Pf)

■ウェーバー:歌劇「オペロン」序曲
■ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番
■シューマン:交響曲第3番「ライン」

円熟の至芸!

地味ながら期待の大きかった定期、大いに満足した。

大山は、全く聴いた事がなかったが、相当な実力者というイメージがあり、ぜひ一度聴いてみたかった。冒頭の「オペロン」序曲を少し聴いた瞬間、実力者というより凄腕指揮者だと感じた。とにかく、オケの音が繊細だ。とても日本のオケを聴いている気がしない。海外の一流オケの音を聴いている感覚。そして、表情の多彩な事。音のバリエーションが多い。何という統率力!

野平も名前は知っているが、全く聴いた事の無いピアニスト。大山も野平もルックス的に気難しそうで無骨そうなイメージで、ピアノ協奏曲は糞真面目な感じになるのかと思っていたが、違うかった・・・。冒頭、格調高くも美しい響きでピアノソロから開始された。大山はかなりゆっくりとしたテンポを取るが、決して流れが止まらない。自在にオケをコントロールし、野平のピアノと高次元に融合する。野平のピアノは実に魅力的な音で、やはり表現力が素晴らしい。何というか、巨匠指揮者と巨匠ピアニスト、大家の2人がシンクロしたような印象。ベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番は、ピアノとオケのバランスを欠いた演奏が多いが、このようにベストマッチした演奏を聴くと、協奏曲の真髄を聴いた気がする。2人とも、風貌とは裏腹に熱い。熱いといっても熱狂的になるのではなく、表向きはクールで知的かつ緻密なのだが、聴こえてくる音楽がホットなのだ!

余談だが、第二楽章の辺りから奇妙なハウリング音が聞こえた。大フィル奏者も何人か気にしていたようだが、どうも補聴器の音らしい・・・。

「ライン」は、冒頭が素晴らしい。巧みにコントロールされた音でやや早めに開始された。とにかく、リズム感が凄い。中間楽章は中庸なテンポを取ったが、時に厳かに、華麗に聴かせてくれた。フィナーレは追い込みが凄まじかった。大山は、登場する時、スコアを自ら持参して指揮台に立つ。いかにも学者風な感じがするが、実際はかなりの熱血派で、バトンテクニックも優れている。

充実した今シーズン大フィル定期、ラストを飾るに相応しい素晴らしいコンサートだった。なお、コンマスの長原、セカンドの佐久間、ホルンの池田各氏が今期で大フィルを去る。長原、佐久間は大きく羽ばたいてほしい。池田氏はミスは多いけれど、音色が美しくて素敵だった。新しい奏者に期待したい所だが、大フィルは橋下のアホのせいで運営難必死。まあ、これを機に、行政に頼らない強い運営基盤を何とかして作ってほしい。

大阪フィルハーモニー交響楽団 第455回定期演奏会

2012年2月16日(木)
ザ・シンフォニーホール

指揮:大植英次

■ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」
■ストラヴィンスキー:バレエ音楽「春の祭典」

一級のハルサイ!

大植が音楽監督として臨む最後の定期。どうも、初日の出来は今一だったようで、盛り上がりにも欠けた。

「田園」は正に巨匠風。ゆったりと堂々と進めるのは前回の「英雄」と同じ。大植にしては珍しく歌心に溢れていて美しい演奏。しかし、第2楽章が頂けなかった。あまりに遅いテンポで音楽が流れず冗長。全般的にリズムにキレを欠いて、眠たい演奏。2日目や東京定期ではその点、改善されていたようだ。

ハルサイは、この日、オケにやや乱れがあったものの、十分完成度が高かった。ハルサイは紛れも無く大植の十八番!当代最高のハルサイ指揮者の一人だと思う。

隅々まで情報量が非常に多く、緻密だ。大植は「田園」の時とは対照的に、小振りで正確に棒を振る。とにかく最初から最後まで実に計算された演奏で、無駄な音を鳴らさない。しかし、いざという時の迫力も十分だし、全般的なドラマも楽しませてくれた。大植というのは、本来こういう指揮者なのだ。

大フィルは十分優秀な演奏だったが、これを持って大植&大フィルの集大成とするにはやや物足りない印象だった。ただ、2日目や東京定期等ではもっと良くなっただろうと思う。いずれにせよ、国内オケとしては十分なハルサイ。国際的にみれば後一歩かなという印象。

さて、ようやく3月31日、大植監督ファイナル公演の曲目が発表された。ブルックナー交響曲第8番。大本命のマーラー9番は7月定期。マーラー3番を5月にやるので、2番や8番も無理。得意のハルサイは今回やったし、R・シュトラウスもやり尽くした感がある。となると、いろんな意味でやはりブル8に収まったのは妥当だと思う。

ハルサイ!

まだ、春はちょい先だが、明日はハルサイ!

大植/大フィル定期の「春の祭典」が非常に楽しみ。残念ながら2日とも完売らしい。東京定期はまだあるらしいので、ぜひ。

小菅優 ベートーヴェン・ピアノ・ソナタ全曲演奏会シリーズ 第3回

2011年2月2日(金)
いずみホール

■ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第9番op.14-1
■ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第10番op.14-2
■ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第27番op.90
■ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第13番op.27-1
■ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14番op.27-2「月光」

絶望のソナタ・・・・

ソナタ5発!?

9、10番はやや早いテンポで切れ味が良かった。
27番は小菅が得意な感じの曲。ロマンティックな演奏で、脱古典的な感じ。
13番は雄弁。

そして、今回の目玉「月光」が問題だ。
この曲、詩情豊かな雰囲気が魅力の曲という印象なのだが、小菅は全くそのようには演奏しなかった。実際、否定している。有名なアダージョは、絶望の淵に追い詰められた様を描き出す。気分の浮き沈みを表し、次第に落ちていく。アレグレットは一瞬、救いを求めたのか?しかし、プレストで全てが終わる。最早、何の救いも無い。ただただ絶望しか無い。

何という音楽なのか・・・。
酷い。
演奏が終わって、とても拍手する気分にはならなかった。

全く、凄いピアニストというか、アーティストだなと、改めて思った。

アンコールのシューマンは癒された。

次回は7月19日。「ワルトシュタイン」に期待!

大阪フィルハーモニー交響楽団 第454回定期演奏会

2012年1月26日(木)
ザ・シンフォニーホール

指揮:大植英次

■ハイドン:交響曲第92番「オックスフォード」
■ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」

大植、巨匠への第一歩

前回のシュトゥッツマンに続き、今回は指揮のボッセのキャンセル。実は密かに楽しみにしていた公演だっただけに残念だった一方、高齢で体調思わしくないボッセが果たして無事に指揮出来るのか半信半疑だっただけに、ああ~やっぱりという感じ。その後、亡くなられてしまったボッセに心から冥福を捧げたい。

まず、プログラムは変更を余儀なくされた。この点、大植はスコットランドを振るべきだったという意見が少なからずあるようだが、大植は意外とレパートリーに慎重な指揮者である。定期で無茶振りはいけない。

さて、ハイドンはヴィオラ、チェロ、バスを左右に振り分けた延原顔負けの特異な編成で挑んだが、これが効果的面で面白く、全般的に快活で切れの良い演奏。大植の古典はダメだというイメージを払拭したかもしれない。大植はもっとハイドンを振るべきだ。

エロイカはややゆったりしたテンポで重厚かつ本格的な演奏。全般的に中庸な表現だが、深い呼吸で堂々と音を鳴らす。音の意味、情報量が多い。立派なエロイカだ。正直、大植のベートーヴェンは平凡でダメだと思っていたが、これだけのベートーヴェンを振れるのは意外だった。特に第2楽章は名演だ。このエロイカは一言で評せば「巨匠風」、大植もいよいよ巨匠への道を歩みだしたのだと思う。

次回の「田園」がすこぶる楽しみになってきた。

audio-technica ATH-TAD500

オーテクの底力をみせたモデルではないだろうか。TADシリーズハイエンドながら実売5~6千円という普及価格だが、久々のエアーダイナミックシリーズ新型だけあり、ADシリーズよりも熟れた印象を受ける。

オーテクの大型オープンエアー型と言えば、ADシリーズであるが、繊細で精緻な音が特長な反面、脳内定位と高音がきつく、シャカシャカした尻軽な感じが欠点だった。このATH-TAD500はADシリーズの良い面を受け継ぎながらも、欠点を修正した感じ。おそらく、音作りの方向性で大きな舵を切ったものと思われる。

解像度は、流石に上位機種には及ばないが、必要最低限はある。とにかく音に躍動感があり、ストレートな表現で迫力がある。音像はかなり近いが、脳内定位より前、音源の直接目の前で聴いているような感じ。コンサートホールの最前列で聴いている印象。音場はオープン型としては広く無いが、360度包まれている感じはする。左右の定位は音像が近い分はっきりしているが、やや分かれすぎな感はある。音質は中域にふくよかさがあるのがこれまでのオーテクオープン型に無い特長。低音高音も必要十分な量とバランス。周波数レンジは広く無いが、逆に言えば無駄な音を鳴らさない。

とにかく、バランスに優れたヘッドフォンで、高級機と比べると性能はよく無いが、必要な音しか鳴らさないので、音源の状態を選ばない。古い録音はノイズが目立たないし、低レートの圧縮音源も嫌な音が目立ちにくい。また、各種携帯プレイヤーでも十分に音を鳴らすので、再生機器も選ばない。かと言って、より優れた再生環境では持ち前の躍動感が活き、性能も一段階アップした感じになってなかなかに聴かせてくれる。ナチュラルバランスでは無いが、高音から低音まで、飛び出る音は無い。刺激が無いので当然、聴き疲れしにくい。

掛け心地はオーテクらしく良好。流石に上位機種のようにピンポイントヘッドバンドでは無いが、軽量で、その意味でも疲れにくい。

ジャンルは一切選ばない。敢えて言えば邦楽のポップスを聴くのがベストマッチだと思うが、どんな曲も『それなり』に聴かせてくれる。DAW用途としては向いてないが、打ち込み等の作業としては抜群だろう。

決して高性能ではないが十分に中性能なこのヘッドフォン、聴く物や再生環境によってはもっと高性能なヘッドフォンより良い感じで聴ける。ヘッドフォンに限らないが、オーディオ機器というのは、余程の安物は除いて、性能が音質に直結しないのがよく分かるヘッドフォンかもしれない。

高級ヘッドフォンへの入門機として、あるいは高級ヘッドフォンのサブで使う2台目として持っておいて損のないヘッドフォンで、かなりお薦め出来る。コストパフォーマンスは相当高い。

Uio500_2

昨年の反省と今年の抱負

新しい年を迎えました。本年も、よろしくお願い致します。このブログも、3年目に突入です。更新が滞ってしまう事もありましたが、約2年間、続けてこれました。「継続は力なり」という言葉を信じて、今後も引き続き、このブログを執筆していきたいと思います。

昨年の抱負は「努力」と謳ったにも関わらず、昨年は逃げに逃げまくった消極的な1年だった。はっきりいって全く努力しなかった1年。1年を棒に振ってしまった。創作の方も、発表したのはたった1曲・・・・。最悪の1年。道楽に明け暮れた1年だったような気がする。

今年の抱負は「忍耐」としたい。まずは耐えなくてはならない。厳しいことから逃げてはならない。自分にムチを入れる年だと思う。

創作に関しては、今手を付け始めている交響曲第3番を完成させて発表するのは至上命題。ZBEOSで今手掛けている4作品も速やかに完成させ、発表したい。また、コード進行の理論をきっちりマスターして引き出しを増やしたい。

このブログに関しても、もう少し幅広いテーマを扱って、更新のペースをあげたい。

とにかく、実りのある1年にしたい!

2011年クラシックライブベスト5

毎年末恒例の企画。今年は約25公演に足を運んだ。1ヶ月に2回ペース。おそらく昨年とあまり変わらない数。ただ今年は大フィル率がかなり高い。加えて大阪交響楽団を聴く機会が多かったのが特長。海外オケを1回しか聴けてないのは心残り。さて、その中からベスト5を選出した。

<2011年ライブベスト5>

1位 スクロヴァチェフスキ(ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送フィル)
2位 エリシュカ(大阪フィルハーモニー交響楽団第452回定期演奏会)
3位 ウルバンスキ&諏訪内晶子(大阪フィルハーモニー交響楽団第449回定期演奏会)
4位 大植英次&小曽根真(大阪フィルハーモニー交響楽団第447回定期演奏会)
5位 デイヴィス(東京二期会オペラ劇場「フィガロの結婚」)

ちなみに昨年のベスト5は、

1位 フィッシャー&神尾真由子(ブダペスト祝祭管弦楽団演奏会)
2位 西本智実(ラトビア国立交響楽団演奏会)
3位 スダーン&小菅優(大阪交響楽団第151回定期演奏会)
4位 延原武春(ウィーン古典派シリーズⅢ)
5位 大植英次&ヌーブルジェ(大阪フィルブラームス交響曲全曲演奏会1)

ここ最近、猛威を振るった神尾が今年はランクインしなかった。カプリースを聴きに行けなかったのが残念。今年唯一聴いたブラームスの協奏曲はやや不出来だった。来年に期待したい。今年は名演に恵まれて選出が相当難しかったが、インパクトの強さで選んだ。

1位
エリシュカ、ウルバンスキもほぼ同等だが、曲が好物のブルックナーだった為に競り勝った。堂に入りながらも新鮮な、見事なブルックナーだった。

2位
正に巨匠の至芸。オケを完全に手中に収め、「我が祖国」の真実を聴かせてくれたエリシュカに感謝。

3位
ウルバンスキは流石。鮮烈な「火の鳥」は一生忘れない。諏訪内も良かった。

4位
「不安の時代」が超弩級の名演!大植&小曽根コンビの凄さ爆発!!

5位
とにかく愉しいフィガロだった。スザンナ役の嘉目が特に好印象。

今年は大フィルが素晴らしかった。大植のファイナルシーズンというだけあり、定期が極めて充実していた。来年は、春先以降の大フィル定期のラインアップがぱっとしないのでどうなるか・・・・・。

大阪交響楽団 第161回定期演奏会

2011年12月1日(木)
ザ・シンフォニーホール

指揮:児玉宏
独唱:小森輝彦(Bs)

■プフィッツナー:スケルツォハ短調
■プフィッツナー:オーケストラ伴奏つき歌曲集より
          (作品2-2,15-2,18,25-1,25-2,26-2)
           (Offizielle Website der Hans-Pfitzner-Gesellschaft e.V.)
■グラズノフ:交響曲第4番変ホ長調作品48

安定の児玉クオリティー。

今定期も、児玉&大響らしく質の高い演奏を展開。小森の歌も安定していて好感が持てた。グラズノフは児玉の十八番と言っていい。素晴らしかった。

ウィーン古典派シリーズ Ⅵ

2011年11月24日(木)
いずみホール

指揮:延原武春
独奏:宇賀神広宣(Fg)
管弦楽:大阪フィルハーモニー交響楽団

■ハイドン:交響曲第101番「時計」
■モーツァルト:ファゴット協奏曲
■ベートーヴェン:交響曲第7番

円熟。

ハイドンはこのシリーズの中でも屈指の秀演。ハイドンを聴く醍醐味を十分に満喫させてくれた。嫌味が無く、実に自然かつ快活なハイドン。オーボエの浅川氏が復帰されていた。

モーツァルトは宇賀神がやや地味過ぎたか。しかし、完成度は高かった。

ベートーヴェンは10型。やはり、このホールでベートーヴェンをやるなら10ないし12型がベスト。全般的に落ち着いた進行。テンポは速めだが、不自然さはまるでなく、全体的に流麗。カラヤン的な流れの良さを感じた。歌うところはよく歌い、思い切った強調や細部の拘り、バロックティンパニと金管の強奏強打は延原流。そういう意味で、かなりこの曲の魅力を引き出して満喫させてくたのではあるが、どうももう一歩の感銘を受けない。ずばり、音が汚い。品が無い下品な音。これはピリオド奏法を採用しているからではなく、延原の音作り、方向性が原因。音楽は美の要素も無視してはいけない。そんな事を感じたこの演奏会。

しかし、当夜は延原&大フィルがついに円熟の境地に入った事を感じさせた。全般として無理が無く、それでいて延原の目指す音楽を遺憾なく表現出来ていた。大フィルにピリオド奏法を無理なく定着させた延原の手腕と功績は大きい。

来年は、6月に2番、9月に1、9番が予定されている。

大阪フィルハーモニー交響楽団 第453回定期演奏会

2011年11月9日(水)
ザ・シンフォニーホール

指揮:大植英次
独奏:小川明子(M.Sop)、ジョン・ヴィラーズ(Ten)

■シューベルト:交響曲第5番
■マーラー:交響曲「大地の歌」

ピンチはチャンス!?

大植が今シーズン最も力を入れていたであろう今定期。しかし、ナタリー・シュトゥッツマンのドタキャンで出鼻を挫かれた。大フィルも、「大地の歌」を急に歌えてかつ、それなりの実力者を緊急で探して連れてくるのは大変だったと思うが、なんとか小川明子を連れてきた。

まず、シューベルトは活力に満ちて音楽が活き活きしていた。大植はこういう古典的な曲は素手で指揮するが、特に何もしない。彼のベートーヴェン等は面白く無い。しかし、今回はやや早いテンポで軽快に音楽を愉しむ愉悦に満ちており、中々聴かせてくれた。大植は大フィルでシューベルトを振るのはこれが初めてらしいが、相性が良く、「未完成」等、他の曲もぜひ聴いてみたい。

さて、メインの「大地の歌」だが、小川は実に堂々としていて自信に満ち溢れていて立派だった。ヴィラーズはおおらかで迫力満点!特に第1楽章は、大植&大フィルの熱血的な演奏と相まって素晴らしかった。小川は、第2楽章はやや硬い感じがあったが、次第に調子が出てきて、第4楽章は大植の挑発に応えて面白かった。「告別」は、歌手もオケも、指揮も全て高水準な演奏。

正直、私はマーラーにはあまり共感が無い。マーラーの核心ともいえる「大地の歌」もあえて聴きたいと思う曲では無いので、他の人より感動はどうしても薄くなるが、今回の演奏は、マーラー好きならば大いに感動出来たと思うし、私も大いに楽しめた。大植はマーラーを面白く聴かせてくれるので好きだ。

大フィルは文句無し。このオケの管楽器は本気出せば優秀なんだが、どうも手抜き癖がみられるwただ、今回の緊急事態に対し、オケも相当気合が入っていたと思う。小川は、このピンチで実力をアピールする絶好の機会にしてしまったのだから凄い!

今シーズンの大フィル定期は本当に凄い。例年なら定期NO1級の定期がゴロゴロしている。今回も、NO1候補の一つで有ることに疑いは無い。

大フィル&大植 ブラームス交響曲全集

昨シーズン、ライブ録音されたものが、ようやく発売された。全て、ライブで聴いた。その時の感想は、

■ブラームス:交響曲第1番
http://tasinoki.way-nifty.com/blog/2010/07/1-495a.html

■ブラームス:交響曲第2番
http://tasinoki.way-nifty.com/blog/2010/08/2-de5b.html

■ブラームス:交響曲第3番
http://tasinoki.way-nifty.com/blog/2010/11/3-f4db.html

■ブラームス:交響曲第4番
http://tasinoki.way-nifty.com/blog/2011/02/4-7082.html

改めてCDを聴いていると、ライブで聴いた時より全体的に落ち着いて聴こえる。ライブというのは、テンションが上がるので、やや大げさに聴こえる面があると思う。

しかし、完成度の高い全集。出来栄えとしては、4番が一番良い。次点は1番で、2番が続く。3番も悪くは無く、中間楽章は秀逸。とにかく、オケが非常に充実している。この録音を聴く限り、とても国内オケの演奏とは思えない。特に、第1、2ヴァイオリンパートの美しさは世界に誇れるレベルだ。大植&大フィルの大きな成果がこの全集という形で残せて本当に良かった。録音も素晴らしい。

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大植英次&大阪フィル チャイコフスキー・セレクション No.3

2011年11月2日(水)
ザ・シンフォニーホール

指揮:大植英次
独奏:セルゲイ・アントノフ(Vc)

■チャイコフスキー:(ミステリーピース)交響曲第7番「人生」~第1楽章
■チャイコフスキー:ロココ風の主題による変奏曲
■チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」

びみょ~

シリーズ最終章。恒例のミステリーピースは、いつもより長く、どうも交響曲っぽい感じがした。正解は交響曲第7番。会場で一人だけ(3回連続で)当てた方に、拍手!

ロココは、曲が苦手。なので、眠かった。演奏自体は中々良かったと思うが、こんなつまらない曲にはもっと面白みがほしい。その点、アンコールでフィナーレをやったのは遊びがあって良かった。アントノフの評価は避ける。

「悲愴」は、第1楽章、駄演。第2楽章、凡演。第3楽章、快演。第4楽章、秀演。良くも悪くも大植らしい演奏。第1楽章は二流の指揮者が色々やって失敗した感じ。ただ、途中でギアチェンジした後は流れがあり、剛直で良かった。

第2楽章は、細部でいろんな拘りがみえたが、全体としては普通。第3楽章は迫力満点ながら一定の統制が効いていて良かった。フィナーレは、アンダンテで演奏すると言っていたものの、引きずりまくって時にアダージョどころかレントになっていた所もあり、アンダンテというより、慣習的なアダージョでやや早いテンポを取った演奏と相違いない。しかし、極めて妥当なテンポで、大フィルが誇る弦楽アンサンブルの妙味をみせ、情感豊かで濃厚で、非常に印象深い演奏だった。

ソロでは、クラリネットの金井氏が素晴らしかった。ホルンもなかなか良かったが、反面、トランペットが弱かった。チューバの川浪氏はやり過ぎw

SONY MDR-Z1000

モニターヘッドフォンは、新時代に入った感がある。少し前まで、モニターヘッドフォンは汎用的というか、オーソドックスであまり高性能を求められていなかったが、今日のモニターヘッドフォンは極めて性能が高い。

先日推したSHURE SRH940の対抗馬がSONY MDR-Z1000だ。元々モニターヘッドフォンで定評のあるSONYは、基本的に他メーカーよりも高解像度な印象がある。また以前ほどではないがドンシャリというか、低音と高音をしっかり聴かせようというコンセプトがある。MDR-Z1000はそんなSONYの究極と言えるモニターヘッドフォンだ。

全ての音が克明に鳴りきって耳にダイレクトに伝わってくる。迫力が凄い。とにかく、超高解像度で、あらゆる音をはっきりと分離して鳴らす。もちろん、低音も高音もしっかり鳴らすが、高音は流石にきつすぎるか・・・?掛け心地等は良好。

SRH940と比べると、MDR-Z1000の方が解像度が高く鮮明。また、MDR-Z1000は音場が近いので、音源を再至近距離で聴いている感じでダイレクト感が強いが、SRH940はベストバランスな距離があり、全体の鳴りを見通せる。

SRH940とMDR-Z1000はどちらもモニターヘッドフォンを標榜しているが、明らかにタイプの違うヘッドフォンだ。MDR-Z1000は解像度が高く、ダイレクトに音を聴けるため、音声編集や最終のマスタリングに適す。SRH940は、ベストバランスで前後左右を確認出来、余韻の描写が巧いので、楽器モニターやMIXに適す。

どちらも本来、普通の音楽鑑賞用では無いが、アコースティック系ならSRH940、エレクトロ系ならMDR-Z1000か。中間的なポップスやロックは好みで分かれてくるだろう。

どちらか一つでも十分、オールマイティーに活躍出来るポテンシャルを持っているが、敢えて両方使い分けるのは贅沢な話だろうか?ちなみに、MDR-Z1000の方が再生環境を選びにくいのは一言しておく。

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今年は・・・

毎年、年末に自分が足を運んだライブのベスト5を発表しているのだが、今年は選考困難な様子。まだ、大植/大フィルの「悲愴」や「大地の歌」等も残っているが、今年は名演に恵まれ過ぎた。

現時点での候補を挙げておくと、

・大植英次&大フィル ブラームス交響曲全曲演奏会4
・大阪フィルハーモニー交響楽団第446回定期演奏会
・大阪フィルハーモニー交響楽団第447回定期演奏会
・東京二期会オペラ劇場「フィガロの結婚」
・大阪フィルハーモニー交響楽団第449回定期演奏会
・大阪交響楽団第159回定期演奏会
・大阪フィルハーモニー交響楽団第452回定期演奏会
・スクロヴァチェフスキ/ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送フィル

とにかく、今年は大フィルが凄い。今の所、1位は決まっている。2位と3位は少し迷っている。4、5位を選ぶのは難しい。
逆に今年はワーストライブを選ぶのは簡単・・・。

Trio Concert ~音の戯れ~

2011年10月30日(日)
青山音楽記念館(バロックザール)

松川朋子(ヴァイオリン)
石田聖子(チェロ)
松田みゆき(ピアノ)

■ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲第5番ニ長調 op.70-1「幽霊」
■武満徹:ビトゥイーン・タイズ
■メンデルスゾーン:ピアノ三重奏曲第2番ハ短調 op.66

秋の午後に至福の一時

昨年に引き続きこのトリオのコンサートが行われた。大阪クラシック等、このトリオは度々演奏を重ねていて、より洗練されたトリオになってきている。このトリオは、エレガントな松川と重厚で深い石田、瑞々しくも安定感のある松田とそれぞれ個性の違う3人が持ち味をぶつけ合いながらも上手く融合しているのが魅力的だ。

ベートーヴェンは、第1楽章、早めのテンポで若々しく進めたが、第2楽章はゆったりと情緒を出し、第3楽章は華麗にまとめた感じ。全体として堅実な演奏だったが、もう少し表現に幅が欲しかった。

武満も、うまくまとめた感じだが、もう少し思い切りが欲しいかも。

メンデルスゾーンは今年の大阪クラシックでも取り上げており、堂に入っていて素晴らしかった。とにかく熱い。このトリオは本気だすと熱くなる!松川が、フォルテでも大変美しい音を聴かせていたのが印象的。石田も迫力があったし、松田も全開!

アンコールの2曲も良かった。

芸術の秋を飾るに相応しい、素敵なコンサートだった。

スクロヴァチェフスキ/ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送フィル

2011年10月21日(金)
ザ・シンフォニーホール

指揮:スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ
管弦楽:ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団

■モーツァルト:交響曲第41番ハ長調K.551「ジュピター」
■ブルックナー:交響曲第4番変ホ長調「ロマンティック」

巨匠の至芸?

ずっと楽しみだったこのコンサート。ついに、その時が来た。まずは、スクロヴァチェフスキが無事に来日していることを確認して一安心。

ジュピターはMr.Sらしい硬質かつ緻密なモーツァルト。骨組みが見えるタイトな音作りの中にも豊かなロマンがあるのはMr.Sの真骨頂。ただ、前半2楽章はSが手を抜いていたのか、オケが調子出なかったからなのかは分からないが、アンサンブルがやや雑な上、やや間延びした感もあった。こんなものか?と思っていたら、メヌエットからいきなりギアチェンジし、いかにもSらしい快活な表現で、オケも復調。さすがはMr.Sと聴衆を唸らせ、後半へ・・・。

ブル4に関しては正直感想が無い。言うことが無い。何というか、凄さも度が過ぎると何も感じなくなる?腹一杯食った後に、更に料理が出された気分?正直、拍手もどうでもよくなった。

第1楽章、ゆったりとしたテンポで、Sとしてはオーソドックスに、いかにも巨匠という感じの表現。音の鳴り方が凄い。というか、やばい。やばすぎる。途中、ややテンポを早めるシーンもあったが、終始落ち着いていた。

第2楽章も、オーソドックスに余計な小細工をせずに、着実に進めた。その分、凄い深みがあり、ブルックナーの美を存分に表出。もう、これで既に大満足。この楽章が終わった後の余韻の幸福なこと!!

第3楽章は、老大家とは正反対の若々しい演奏。思い切りの良い舞曲に仕上げたが、とても88歳の棒では無い。20~30代指揮者の勢いを感じる。

フィナーレは意欲的だ。何というか、巨匠が若手指揮者に乗り移って指揮した感じ。若々しく活きの良い表現だが、それでいて巨匠ならではの熟練したテクニックが満載。ラストは神降臨!この楽章、後半はあまり記憶に無い。頭が真っ白になっていた。

何というか、現代最高のブルックナー指揮者が、手兵を使って自由自在にブルックナーを演奏した感じ。なので究極という完成度のある演奏では無いが、フレッシュで覇気に溢れながらも、全てが異常な説得力を持った壮絶な名演。いろんな事が試みられているのだが、音の鳴らし方、溜め方、バランス等、あくまでブルックナーを知り尽くした大家ならではの演奏。

当然のスタンディングオベーション!

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